徳島県、ナスやキュウリの生産現場で土着天敵タバコカスミカメ+ゴマの利用を推進。
徳島県は促成なす(ハウスなす)、夏秋なすの主産地だが、なす栽培の主要害虫であるミナミキイロアザミウマの被害が問題になっていた。害虫の薬剤抵抗性が増し、薬が効きにくくなったのだ。そこで、天敵、タバコカスミカメを活用したIPM(総合的害虫管理)技術を講習会で紹介するなどして、IPM普及を図っていたが、マニュアル「ナスやキュウリの生産現場で土着天敵タバコカスミカメを使ってみよう!-タバコカスミカメ利用マニュアル徳島編」も発行している。
これは自然界に生存する土着天敵、タバコカスミカメをゴマ等の温存植物で増殖させ、ミナミキイロアザミウマ等の害虫を補食させるというもの。
この天敵を上手に使う方法「ゴマまわし」も開発。ナスの露地栽培や施設栽培で、ナスを植栽していない空きスペースにゴマを植栽し、そこで温存・増殖したタバコカスミカメを、それぞれの栽培終期にゴマごと次のナス畑へ人為的に移すという方法だ。ゴマは2~3カ月で枯れるため、露地栽培で1~2回と施設で1回植える。
「ゴマまわし」は、ナスだけなく、促成栽培のキュウリでも利用できるので、全国的に注目されている。