コウズケカブリダニ、複数の害虫を捕食。
コウズケカブリダニは、ミカンサビダニ、フシダニ類など複数の害虫を捕食する土着天敵。
花粉を代替餌として与えることで、防除効果が強化されることも確認された。
これまで果樹での生物的防除では、特定の害虫のみを対象にした狭食性の天敵が主に使用されており、標的外の害虫が増えた場合に化学農薬を使うことで天敵ごと排除され、総合的病害虫管理(IPM)が崩壊するという問題があった。
コウズケカブリダニは、サビダニやハダニなど複数の害虫を捕食する広食性の土着天敵。その有効性を検証。カンキツ園のミカンサビダニ、ナシ園のニセナシサビダニ、カンザワハダニに対し防除効果が高いことが確認された。また、高品質な代替餌の花粉を与えると防除効果が強化されることも明らかとなった。
コウズケカブリダニは5月から6月にかけて密度が高まるので、春から初夏にかけ樹あたり約200匹を複数回放飼することで効果を高めることができる。密度が低い春から初夏にかけてはコウズケカブリダニに影響の少ない薬剤を使用することで、多様な樹種でIPMを構築することが可能になると考えられる。
静岡県では、コウズケカブリダニの製剤化を検討している。
参考リンク:研究の成果(静岡県農林技術研究所)