子実コーン、殺虫剤4種追加。土着天敵を使う方法も。
トウモロコシの害虫、アワノメイガ・ツマジロクサヨトウの登録農薬が5月に4種追加された。
化学農薬に頼らない防除法として、天敵を利用する方法があるが、アワノメイガ・ツマジロクサヨトウとも実用化はまだされていない。土着天敵を利用した防除法の研究が進んでいる。
アワノメイガ・ツマジロクサヨトウの土着天敵としてはタマゴバチ類が挙げられる。タマゴバチ類は、昆虫の卵に寄生する小型のハチで、成虫になるまで卵の中で生活する。成虫の体長は0.5〜0.7mm程度で、チョウや蛾の卵に産卵するものが多い。
タマゴバチに寄生された卵は、初めは外観で区別できないが、末期には黒く変色し、10日〜14日で成虫が出てくる。
タマゴバチは卵以外で育たないため大量増殖が難しいが、近年では害虫防除に利用する研究がされており、ヨーロッパや中国では農薬登録され、害虫防除に使われている。日本ではまだ農薬登録されていないが、アワノメイガタマゴバチやメアカタマゴバチなどでは、企業ベースで農薬的な利用方法が検討されはじめている。
参考リンク:農薬登録情報提供システム(農林水産省)