寒冷地で春夏も大粒イチゴ収穫、新品種「そよかの」高評価。

農研機構は、青森県、岩手県、秋田県、山形県との共同研究により、イチゴ新品種「そよかの」を育成した。
「そよかの」は、寒冷地や高冷地における露地栽培、半促成栽培に向く品種。晩春~初夏に収穫できる大粒のイチゴで、形の揃いが良く多収。
イチゴは生食用、ケーキ等業務用として年間を通して需要があるが、6月~11月にかけては端境期で生産量が落ち込む。東北や北海道などの寒冷地や高冷地では、その冷涼な気候を生かして、6月前後に果実を出荷する露地栽培や半促成栽培が行われ、イチゴの周年供給を行っている。しかし、これらの栽培で用いられている品種は、収穫期後半の果実の小粒化や形の乱れ、果皮色の黒変などの問題点があり、それらの点を改良したイチゴ品種が望まれていた。
「そよかの」は、極晩生の一季成り性イチゴで、果実は平均16g程度と大粒。果実の形の揃いが良く、多収。果皮は明るい赤色であり、収穫後の黒変もない。
また、トヨタ自動車との共同研究により、東北地方や北海道等で発生するうどんこ病レース0に対して抵抗性を持つことも確認された。
寒冷地や高冷地でのイチゴの露地栽培および半促成栽培への普及が期待される。