ツマジロクサヨトウの早期防除徹底を農水省が指示。

今年7月に国内で初めて発生が確認されたツマジロクサヨトウは、現在、全国にその分布を広げつつある。主に飼料用とうもろこしの畑を中心に、一部のスイートコーン(未成熟とうもろこし)及び飼料用ソルガムの畑においても発生が確認されている。農水省は、ツマジロクサヨトウの早期防除徹底を呼びかけた。
飼料用とうもろこし及び飼料用ソルガムにおけるツマジロクサヨトウによる被害を減らすためには、虫の早期発見と、作物の生育状況に応じた防除対策が必要。それぞれの畑の状況に応じ、次の防除対策を実施するよう指示。
1.早期発見
生育初期に幼虫の食害を受けた場合、被害が大きくなると考えられることから、定期的に畑の見回りを行い、早期発見に努める。
2.農薬散布
農薬散布が可能な畑では、農薬リストを参考に農薬による防除を実施する。散布にあたっては、新葉の葉鞘基部に潜り込んでいる幼虫に届くよう、株の上部までしっかりと散布する。
3.農薬による防除が困難な場合
草丈が高く農薬散布が困難な場合や隣接生産ほ場へのドリフトが懸念される場合は、次の取組を実施する。
(1)早期刈取り・刈取り後の速やかな耕耘
A.収穫が可能な場合は、直ちに収穫・調製を行う。B.刈取り後は、土の上に落ちた幼虫及び土中の蛹を防除するため、速やかに耕耘する。
(2)すき込み……直ちに収穫が困難な場合は、被害の拡大や虫の分散等を防止するため、A. 速やかにすき込みを実施する。B.すき込みの実施に当たっては、幼虫及び蛹を破砕、又は土中深く埋没するとともに、土の表面に作物が見えなくなるまで深耕すき込み(深さの目安 12cm 以上)を2回以上行う。
4.前作に発生が確認された生産ほ場等における防除
(1)虫が土壌中にサナギの形態で残存している可能性があるため、刈取り後は速やかに複数回の耕耘を行い、残っている虫を駆除してから播種する。
(2)生育初期に幼虫の食害を受けた場合、被害が大きくなると考えられるので、畑の定期的な見回りを行い、虫の早期発見に努め、発生を確認したら直ちに農薬散布を行う。
(3)前作に発生が確認された畑周辺の農地においても、定期的に見回りを行い、早期発見、早期防除に努める。