欧州発の航空便が混乱。花苗や天敵の輸入に支障も。 

ロシアのウクライナ侵攻の影響で、欧州方面から輸入する花苗や天敵生物など生産資材の供給に遅れや支障が出ている。

欧州各国は、ウクライナ侵攻を起こしたロシアに対し、各種の経済制裁を実施しているが、その中にロシア航空機の自国領空飛行の禁止がある。その報復措置としてロシアも欧州各国の航空機に対して領空の飛行を禁止したため、欧州から日本への航空便は欠航またはロシア上空を迂回するルートへの変更を余儀なくされ、混乱が続いている。
オランダやフランス、ドイツ、イギリスなどに輸入先がある花苗は、鮮度を維持するため航空便を利用する。南アフリカなどアフリカからの輸入苗も、欧州を経由するものがある。これらの花苗は欠航や遅延による保管で徒長などが生じ、ベストな状態で届けられない自体になるケースがある。また、迂回による航路変更で運賃が上昇し、今後の販売価格に影響が出ることも考えられる。苗に比べ保管の効く野菜の種などへの影響はまだ出ていないが、長期化すると影響が出る可能性も考えられる。
施設園芸を中心に使われる天敵農薬の生産も、オランダを始めとして欧州での生産が多く、一部の製品で遅れや代替航路の確保に苦しむなどの影響が出ており、今後どうなるかが懸念されている。

参考リンク:農林水産省