日本の食料自給率、過去最低の37%に。
農水省が発表した食料自給率によると、2018年度の食料自給率がカロリーベースで37%となり、前年度より1ポイント下がり、過去最低となった。北海道が天候不順で小麦、大豆の生産が大幅に減ったことに加え、全国的にも小麦、大豆の生産が増えていないこと、畜産物も増えていないなどが原因。
食料自給率37%を、小数点以下まで見ると冷夏で米が大凶作だった1993年度より低く、記録がある1960年度以来、過去最低の数値となった。生産額ベースの自給率は66%。過去2番目に低かった2017年度と同じ。
この食料自給率低下要因について、農水省は北海道の天候不順による不作を挙げた。2018年度の小麦生産量が前年度比16%減、大豆が17%減で近年にない低水準となり、生産が大きく減少したとしている。また、牛肉や乳製品の輸入増加も要因とした。環太平洋連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の影響は、まだないという。
食料自給率を下げた要因になった品目のうち、小麦の生産量は77万t、大豆は21万tと最近5年間で最も少ない。牛肉は48万tで、2015年度からずっと40万t台が続く。
また、食料の潜在生産能力を試算する「食料自給力」の指標では、栄養バランスを勘案して米、小麦、大豆中心に作付けする場合、1人1日当たりに供給できるのは1,429キロカロリーと、前年度から5キロカロリー減少した。農地面積の減少や面積当たりの生産量の伸び悩みで、低下傾向で推移している。
この5年間で農業経営体数が2割減るなど、生産基盤の弱体化が過去最低の食料自給率を招いた。自給率を引き上げ、食料安全保障を確立するための具体策が必要。