AIで画像の特徴を可視化。農作物の病害虫診断に活用。

病害虫による農作物の被害は深刻で、その対策としてAIを活用した自動判別システムの開発が進められている。AIとビッグデータを活用した病害虫研究を行っている農研機構が、判断の根拠となる画像の特徴を可視化できる新しいAIを開発し、ジャガイモの葉の病気診断に適用したところ、95%以上の高精度で病気か健全かを判定できたと発表。現在のAIによる深層学習は、学習に基づく判断の根拠を説明できないブラックボックスモデルがほとんどである。そのため、人間の意思決定の参考にする場合などで判断の根拠が必要とするケースに対応できない。
今回開発したAIは、学習した特徴をオートエンコーダという技術を使って可視化できる。ジャガイモの葉の画像による病気診断では、元の画像から病気の葉と健全な葉の画像を生成することができ、AIが病気の特徴を正しく学習できていることが確認された。
今後はこのAIをプログラム化し、ジャガイモの原種(元だね)ほ場への導入検討や、稲の重要害虫であるウンカ類の種類別計測への運用を試みていく。