遠隔操作で食品・農薬の成分分析が可能に。

農業・食品などの物質の同定や構造解析を行う「NMR(核磁気共鳴)」装置を、遠隔操作で利用できる「NMRリモート供用システム」の運用を農研機構が開始。スーパーコンピューターと連動し、測定データをリアルタイムでAI解析し、迅速な解析が可能になる。

NMRは高度な分析が可能だが、導入・運用コストが高く、また機械操作や分析データの解析に高度な専門性が要求され、導入できる機関が限定される。
「NMRリモート供給システム」では、試料作成や装置へのサンプル挿入・交換を自動化することで、あらかじめ送付した試料を用いた分析を、遠隔操作で実行することが可能となった。また、これまで多くの時間と労力を必要としたNMR分析データの解析をAIに行わせることで迅速化が可能になった。
これまでに蓄積された食品分析データや植物ゲノムデータなどは「農研機構統合DB」への集約が進められており、このデータとNMR分析データをAIで解析することにより、新たな農薬や食品・品種開発の推進が期待される。
今後はリモート分析からデータ処理までを一気通貫で利用できるシステムを実現するための基盤整備を進めるとしている。

参考リンク:農研機構