ゲノム編集技術で改変した「毒のないジャガイモ」、屋外栽培実験へ。
食中毒の原因となる天然毒素を、ゲノム編集で大幅に減らしたジャガイモの屋外での栽培実験が茨城県にある農研機構の実験圃場で行われる。
ジャガイモの緑色になった皮や芽に多く含まれるソラニン・チャコニンなどの天然毒素「ステロイドグリコアルカロイド(SGA)」は、摂取すると下痢や腹痛、呼吸困難など食中毒の原因となる。加熱しても毒は分解されないため、芽を取り除くなどが必要。こうしたSGAの量を、毒が合成される際に働く酵素の遺伝子「SSR2」を、ゲノム編集で壊すことによって毒が合成されないジャガイモを、大阪大学と理科研究所の研究チームが開発。これまで室内で実験してきたが、屋外での実証実験を茨城県つくば市にある農研機構の実験圃場(2a)で開始した。
今回の実験は研究目的だが、将来の商業利用につなげる道筋を探る。また、毒素がたまる芽が出にくいジャガイモの開発も進めている。
参考リンク:農研機構