トマトキバガが国内で初めて確認。
トマトなどナス科の作物に寄生し、幼虫が葉や花、果実を食害する「トマトキバガ」が10月、熊本県内のトマト施設栽培圃場で確認。国内では初の確認となった。
トマトキバガは南米原産で体長約5〜7mmの微小な蛾。メスはその生涯で約260個の卵を産み付ける。幼虫はトマトの葉や果実の内部に潜り込んで食害し、食害部分が腐敗する。成虫の1世代期間は29〜38日で、南米では年に10〜12世代を繰り返すことが報告されている。
1980年代からナス科の作物に被害を与えているが、2006年にスペインでの発生が確認され、地中海沿岸や中東で急速に分布を拡大。中東、ヨーロッパ、アフリカ、中南米のほか、アジアではインドでの発生が確認されている。
トマトキバガの防除は、圃場を見回り、見つけ次第捕殺。また、被害を受けた株や果実は次世代の発生源となるので、圃場からから除去し土中に深く埋設する、もしくはビニール袋などに入れ、全て死滅するまで一定期間密閉した上で処分する。
トマトキバガに対する登録農薬はないが、植物防疫法第29条第1項に基づく処置として、防除に使用できる農薬のリストが公開されている。
参考リンク:熊本県病害虫防除所