トマトの脇芽伸ばして増収。

11月〜6月に収穫する作型のトマト栽培で、1月中旬に脇芽を伸ばして茎を増やす「増枝」を行うと、5月、6月の収量が20%増加する。

「増枝」は、日射量の多くなる春先に葉の数を増やして光合成を促進させることで、増収や品質向上が期待される。また、葉の数が増えることで遮光による裂果の減少も期待できる。
定植時に茎を1本で仕立て、1月中旬に3株中1株の割合で脇芽を伸ばして茎を2本にする。枝数は1平方メートルあたり2.8本から3.7本に増加。
2019年の試験では、10a収量は5月が増枝なしの5.4tに対し増枝ありは6.5tと約20%増。6月は同3.5tに対し4.4tと約26%増。2020年も5月(21%増)、6月(37%増)。シーズン収量合計でも増枝なし(17.9t)に対し約20%増の21.4t。裂果も増枝なし(5.6t)に対し約16%減の4.8tとなり、裂果の発生を抑制する効果もみられた。また、果実糖度は増枝なし・増枝(主枝/側枝)ともに差がなかった。
増枝処理を行うことで誘引、収穫などの労力は増加するが、追加資材は不要のため、コストをかけずに収量を増やすことで、所得増につなげることができる。

参考リンク:長崎県農林技術開発センター