野菜を食害するトマトキバガ、中・四国に発生拡大。

トマトなどナス科の植物を食害する外来害虫「トマトキバガ」の発生が拡大している。
昨年は九州各地で確認されていたのみだったが、今年に入り中国、四国で相次いで発生が確認され、全国各地への拡大が懸念される。

トマトキバガが国内で初めて確認されたのは2021年11月の熊本県。以降、九州各地での確認が相次いだ。侵入経路が不明のため、西日本各地で警戒感を強めていたが、今年に入って九州以外で発生が確認されている。
5月には四国で初めて愛媛県で確認され、6月には関西初となる和歌山県、7月には岡山県、8月に山口県、9月に広島県と、中国地方に拡大しているが、農作物への被害は確認されていない。
トマトキバガの幼虫は終齢で体長約8mm。体色は淡緑色〜淡赤白色で、前胸の背面後方に細い黒い帯がある。成虫は翅を開いた状態で約10mm。翅は灰褐色で黒い斑点が散在する。頭部に牙状の下唇髭(ラビアル・パルプス)を持つのが特徴。対策としては、圃場内をよく見回り、見つけ次第捕殺する。被害にあった果実がある場合は、圃場から外に出し深く埋める、もしくはビニール袋などで密閉することが求められる。登録農薬はないが、植物防疫法に基づいて都道府県が使用可能とした農薬の散布は可能。

参考リンク:病害虫発生予察情報(農林水産省)