世界で猛威ふるうトマトの病害「ToBRFV」。

感染すると葉や果実の黄化、斑点、奇形などの症状が出て商品価値を下げるだけでなく、株が壊死するなどの被害をもたらすトマトの病害「トマト・ブラウン・ルゴース・フルーツ・ウイルス(ToBRFV)」。
日本では未発生だが、欧州を中心に中東、北南米、中国など32カ国で発生。現段階では感染株や根を含め残渣の除去、資材の消毒のほかに有効な対策がない。

ToBRFVはトバモウイルス属の一種で、圃場でいったん発生すると、摘心作業などで汁液伝染により感染が拡大。また、感染した株の残渣が土壌中に残ることで長期にわたり残存、次作の苗を定植する際に根から感染。種子伝染もあり、伝染性が強い。
2014年にイスラエルで初めて確認され、感染種子の流通などが原因となり伝播。トマトのほか、同じナス科のパプリカ、唐辛子への感染も確認されている。
日本では2020年5月に植物防疫法で定める有害ウイルスに指定。トマトの種子などの輸出時の検査を全ての国に求めている。2022年6月には輸入イタリア産トマトの種子から検出され、8月からは輸出国側に検査とその証明書を示すよう求めている。

参考リンク:世界のToBRFV発生分布(EPPO)(英語)