中国でリン酸肥料の価格高騰。
世界のリン酸肥料生産の4割を占める中国で、リン鉱石の生産量が減少。リン酸二アンモニウム高騰のあおりを受け、リン酸肥料の価格が上昇。
中国でのリン鉱石は、環境保護政策を進めた中国政府により、基準に達していないリン鉱石工場が再整備や破産に追い込まれ、またリン酸二アンモニウム(DAP)工場の稼働率が低いこともあって生産量が大幅に減少。
このためDAPの工場出荷額は、8月30日現在1tあたり3,605元(約6万1,000円)。6月初旬の価格から18%の上昇。年初からは1,200元(約20,400円)の上昇。
世界のリン酸肥料の需要量は、人口増加による食料需要の増加や異常気象などによる穀物価格の高騰にともない堅調に推移。国連食糧農業機関(FAO)の「世界の肥料トレンドと展望2022」では、2021年で前年比1.8%増の4,826万t、2022年には同1.7%増の4,910万tに増加するとされている。
日本は年間約12万tのリン酸肥料を海外から輸入しているが、その9割が中国産のため、今後の肥料価格に注視する必要がある。
参考リンク:リン酸二アンモニウム価格推移(生意社)