5月までの肥料輸入量はおおむね例年並み。
中国の輸出制限やロシアによるウクライナ侵攻で調達不安が生じている肥料原料だが、5月までの調達量はおおむね例年通りに確保することができた。
肥料の主要原料である尿素、リン酸アンモニウム(リン安)、塩化カリウムの輸入実績(2021年6月〜2022年5月)を集計。
尿素は前年同期比12%減の30万1,937t。4割を占める中国からの輸入が停滞しているが、マレーシアなどからの輸入を増やしている。また、代替となる硫化アンモニウム(硫安)の調達を国内の化学メーカーから増やしており、現時点での供給不安はないとみている。
リン安は同7%増の50万9,669t。9割を中国からの輸入に頼っていたが、モロッコ、ヨルダンなどからの輸入を増やしている。
塩化カリウムは同13%増の49万3,772t。4分の1を占めるロシア、ベラルーシからの輸入が停滞しているが、カナダからの調達が増えている。
政府は肥料メーカーが原料を代替国から調達する際のかかり増し経費を支援すると4月に決定。支援を活用するメーカーの2022年4月〜10月の調達予定量は、前年同期と比べ尿素14%増、リン安7%増、塩化カリウム19%増となっているが、今後他国との調達競争の激化により、6月以降の調達に懸念が生じている。
参考リンク:肥料関係情報(農林水産省)