周囲に農家が少ない地域では「うつ」のリスクが大きくなる。

人口あたりの農家数が少ない地域に住んでいる農業経験の長い人は、1.05倍〜1.42倍「うつ」が多く、逆に周囲に農家が多い地域では少ない傾向にあることが判明。

全国39市町村在住の65歳以上の高齢者14万7,549人を対象とし、農業統計データを用い小学校区ごとに農業経営体の数を人口で割った「農家密度」を算出し分析。
農家密度ごとにうつ症状のある確率の推計値を算出すると、最も農家密度が高い地域に住む人の割合が19%だったのに対し、酪農畜産農家密度の低い地域では男性が1.16倍(22%)、女性が1.05倍(20%)。農作物農家密度が最も低い地域では男性が1.32倍(25%)、女性が1.42倍(27%)。
地域に農家が少ないと、農家共通の話題について相談する機会が少なくなる、お祭りやイベントなどの地域活動が少なくなる、といった要因が、うつ症状になるリスクを高くする可能性がある。
従来の地域の枠にとらわれず農家同士が繋がりを持てる仕組みや、規模に関わらず農業を続けやすい環境づくりが、農家の心の健康に大切であると考えられる。

参考リンク:BMC Public Health(英語)
     :論文著述者による解説(日本語)