温州ミカンの重要害虫「ミカンサビダニ」を捕食する土着天敵を発見。
温州ミカンなど柑橘類の果実に灰白色や黒褐色のサビ状被害を与え、商品価値を無くす害虫「ミカンサビダニ」に対する有力な土着天敵が発見された。
これまでサビダニ防除には黒点病防除の殺菌剤が有効だったが、近年抵抗性サビダニが出現。被害が問題となっているが、殺ダニ剤を使うと重要害虫ミカンハダニの土着天敵であるミヤコカブリダニまで殺してしまう恐れがある。静岡県農林技術研究所果樹研究センターでは、国内に90種以上いるハダニの天敵カブリダニの中から、サビダニも食べる雑食性のものを探し「コウズケカブリダニ」に着目。試験樹に放飼するとサビダニを食べて被害を抑えることが分かった。
また、コウズケカブリダニに餌として花粉を与えると増殖し、5月〜10月の長期間に渡ってサビダニの発生を抑えることができた。
これにより、コウズケカブリダニ発生初期となる4月〜6月の散布薬剤を見直して保護しつつ他の病害虫も抑える総合防除体制の組み立てが出来上がった。来年度からこの防除体制の本格普及を目指す。
参考リンク:静岡県