飼料用米を対象としない「水田リノベーション事業」の拡充に産地によっては苦慮。
主食用米の作付け転換で、2022年産から農水省は麦・大豆、野菜など、飼料用米以外の「収益性の高い作物」への転換を促しているが、中山間地域など米以外への転換が難しい地域では対応に苦慮するケースが出ている。
中山間地の水田は、山から水が流れてくるため乾田にならず、麦類や大豆などの栽培が困難な場合がある。園芸導入には新たに機械も必要で、高齢化が進む中で新たな品目を作るのが難しいケースも。
2022年産で農水省は、飼料用米を対象としない「水田リノベーション事業」を拡充。また、産地交付金でも飼料用米を支えてきた複数年契約や転作拡大分への助成を見直した。その一方で、主食用米の需給安定のため、引き続き大幅な作付け転換が必要となるが、米以外に取り組める条件が有利な農地は、すでに大豆や小麦などに転換している。1枚あたりの面積が小さく、機械が入らないような場所は、農地維持のために米を栽培しているなど。飼料用米以外での転作拡大が難しい場合もある。
参考リンク:水田リノベーション事業(農林水産省)