食料自給率目標に対しての2018年度達成状況。主要15品目中、達成は米、鶏肉、鶏卵のみ。小麦と大豆の減少顕著。

農水省は、食料自給率目標達成に向けて設定した主要15品目の生産努力目標(2025年度)の2018年度達成状況を公表。米と鶏肉、鶏卵の3品目は既に目標を達成したが、小麦や大豆で生産量の減少が目立ち、野菜や複数の畜産物は横ばいだった。
政府は「食料・農業・農村基本計画」で、2025年度のカロリーベース食料自給率目標を45%に設定。主要品目ごとに生産努力目標を設けたが、自給率は上向かず、2018年度は37%と過去最低となった。
前年度と比べて減産が目立ったのが、小麦と大豆。小麦の生産量は77万tで前年度から15%減、大豆も21万tで同16%減となった。目標と比べると、小麦は81%、大豆は66%にとどまっている。最近5年間で、小麦は15年度に100万tに達し、1回は目標の95万tを超えたが、その後は目標を下回り続けている。大豆は目標が32万tだが、30万tを超えたことは一度もない。生産量が上向かない中、2018年度は、両品目の主産地、北海道が低温や日照不足に見舞われ、減少に拍車が掛かった。
天候不順により飼料作物の自給率も25%と、3年連続で減少、目標の40%との差は広がり続ける。
野菜の生産量は1,131万tで、4年連続の減少。他品目と同様に農家の高齢化が進行し、防除などの手間がかかる中、生産縮小の傾向が続き、目標の81%にとどまっている。
生乳は北海道の生産が持ち直す一方、都府県の離農が加速した結果、728万tと1985年度以降で最少の生産量だった。牛肉は48万tで前年より1万t増えたが、目標には4万t及ばなかった。
2018年度時点で目標を達成した3品目のうち、米は775万tと前年度並みで推移。目標を3%上回った。鶏肉は160万t、鶏卵は263万tで、ともに増産が続き目標を9%以上上回った。