直播栽培に限らず、すべての水田で「雑草イネ」への警戒が必要。

これまで減収や品質低下の原因となる「雑草イネ」の発生は、直播栽培の水田に限定されると考えられてきたが、移植栽培しかしたことのない水田でも、多くの「雑草イネ」が発生していることが明らかになった。
「雑草イネ」は水田に自生して雑草となるイネで、コシヒカリなどの栽培用品種と同じ植物種だが、もみが脱粒しやすい、赤米のものがある、などの点で異なり、減収や品質低下を招くため防除が必要。
「雑草イネ」は脱粒しやすい性質があるため、放っておくと種子が圃場に落ちて、翌年以降に数百倍に増殖し、被害が益々拡大していく。そのため、雑草イネを発見した場合には速やかに対策を実施し、被害を未然に防いでいくことが最も重要。
「雑草イネ」の玄米は赤や褐色で、もみが脱粒しやすい。雑草稲が主食用米に混入した場合、等級落ちの原因になる。現在、国や県などが連携し対策を呼び掛けているものの、根絶には至っていない。雑草イネは全国二十数県で確認されている。
農研機構・中央農業総合研究センターでは、雑草イネの被害を軽減するため、「雑草イネまん延防止マニュアル」を作成。もし収穫物に赤米を見つけたら、このマニュアルを参考に防除することを推奨している。