緑豆すき込み法でダイズシストセンチュウ防除。
マメ科植物の根に寄生するダイズシストセンチュウには、燻蒸剤を用いた土壌消毒が有効だが、住宅地に近い都市近郊のエダマメ産地などでは利用しづらい。また、クロタラリアなどの緑肥栽培も効果が認められるが、経済価値のない緑肥を3ヵ月間栽培する必要がある。環境負荷が少なく低コストになる新たな生物的防除法として「緑豆すき込み法」を開発。
「緑豆すき込み法」では、もやしの原料である緑豆を播種し孵化させたセンチュウを餓死させる。また、緑豆は栽培期間が2週間を超えると根粒菌による窒素固定が行われるため、土壌の肥沃度を高められる。神奈川県、埼玉県での実証試験では、土壌中のダイズシストセンチュウ密度を7割以上低減することができた。
センチュウは地温が20度ではほとんど孵化せず、25度で孵化率が最大になる。また、適度な土壌水分(pF2.0〜2.3)で最も孵化率が高くなる。このため関東地方では地温が25度〜30度で安定する7月〜8月の、露地では降雨が見込まれる前後に緑豆を播種するのが最適。ハウスでは播種時とすき込み時の灌水が必須。
参考リンク:地域戦略プロジェクト(農研機構)