気門封鎖剤 苗再散布でも効果 トマト害虫減る。

トマトに深刻な被害をもたらす、トマト黄化葉巻病の病原ウイルス(TYLCV)を媒介し、繁殖力が高く、多くの殺虫剤に対する感受性低下が確認されている、難防除微小害虫のタバココナジラミ。この防除に用いる、付着した薬液で害虫を窒息死させる油脂系気門封鎖剤(脂肪酸グリセリド乳剤、調合油乳剤等)に、殺虫効果以外の忌避、産卵抑制、交尾阻害といった新たな作用があることを、岐阜県農業技術センターが発見。
気門封鎖剤を葉に散布すると、無処理の葉と比べて散布6日後でもタバココナジラミの成虫は葉を忌避、産卵数も減少。10日間隔で散布すれば、低密度に維持することが可能。化学農薬と同等の効果が確認された。
気門封鎖剤は化学農薬と異なり使用回数に制限がなく、薬剤ローテーションにも煩わされることなく主要病害虫を防除できる可能性がある。有機栽培で使用でき、化学農薬の大幅な削減も期待できる。また、黄化葉巻病だけでなく、葉かび病、すすかび病にも防除効果が見られた。今後、うどんこ病やトマトサビダニの同時防除にも期待されている。

参考リンク:岐阜県農業技術センターニュースNo.42