青色LEDが温州ミカンの腐敗抑制に効果。長期貯蔵可能に。

12月に収穫し、年明け出荷する静岡県の温州みかんは、3月以降になると1kg単価が、それまでより100円程度高まる。そのため8度の低温で腐敗を抑える冷風貯蔵が普及していたが、3月以降になると青かび病・緑かび病などの貯蔵病害が発生していた。これを青色発光ダイオード(LED)で防ぐ技術を、静岡県農林技術研究所果樹研究センターが開発、プロヒドロジャスモン加工ジベレリン(GP剤)散布による浮き皮軽減技術と併用することで、3月下旬〜4月上旬まで長期保存が可能になった。
研究では収穫後の果実に青かび病菌を接種し、光触媒や天然素材の抗菌成分などの多くの腐敗防止技術を検討。その中でピーク波長465nmの青色LED光の効果が高く、電気代などの費用も抑制できることが判明。青色LEDの光を24時間連続照射、または1日12時間断続照射を実行。果実病斑部の拡大を抑制できることを確認。この結果をもとに、8度の低温貯蔵庫内で貯蔵木箱の上20cmから果実に照射。92日間の貯蔵期間中の累積腐敗率を低くすることに成功。青かび病・緑かび病を中心とした貯蔵病害を抑制。この技術は民間企業との連携で、普及に移行している。

参考リンク:静岡県農林技術研究所