子実コーンを取り入れた水田輪作体系。
需要のほとんどを輸入に依存する「子実コーン」を、水田輪作で生産する実証が各地で行われている。
子実コーンを組み入れた水田輪作体系が普及することで、海外穀物輸入のリスク分散や食料自給率の改善などが期待できる。
主食用米からの転換作物には大豆や小麦などがあるが、連作障害による収量低下などの問題がある。イネ科植物の子実コーンを輪作作物として大豆の前に栽培することで、連作障害を回避することができる。また、子実コーンは根を深く張るため、圃場の排水性改善にもつながる。
JA全農では2021年度に宮城県で子実コーンと大豆による水田輪作の実証に着手。91haの圃場で、4月中下旬と5月中下旬の2回に分け子実コーンを播種。ひょう害や風水害による被害をうけたものの、被害が軽微な圃場では、10aあたりの平均収量が512kg、最高収量で739kgに達した。
2022年度は、害虫対策やカラスにおる食害といった課題の解決に取り組む。また、2021年度に子実コーンを栽培した圃場で大豆を栽培し、増収効果など輪作体系の収益性の検証も行うほか、農研機構と連携し、「子実コーン→大豆→乾田直播」の確立に向けた3ヵ年実証も開始する。
参考リンク:「子実用トウモロコシ生産・利用技術」紹介サイト