ハチに擬態する新種のガ(ナシ害虫)を発見。
鳥取大学農学部、京都府病害虫防除所、京都府農林水産技術センター丹後農業研究所の研究グループが、京都府京丹後市内でナシの樹皮下を加害する「謎の芋虫」の正体とその生態を解明した。
謎の芋虫は、成虫(ガ)がハチに擬態したスカシバガ科コスカシバ属の新種。幼虫がナシの樹皮下を加害することから「ナシコスカシバ」と命名された。ハチに擬態した姿と、腹部を裏側から見たときに目立つ太く白い帯が特徴で、既知のどの種とも明瞭に区別できる特徴を備えている。
スカシバガ科は国内に約50種を擁するガの仲間で、成虫がハチに擬態していることで知られている。また、サクラ・ウメ・モモなどの大害虫コスカシバや、ブドウの重要害虫クビアカスカシバなど多くの果樹害虫を含んでいる。コスカシバ属の新種が本州の平地の、しかもナシ園で発見されたのは極めて異例。