牛にアミノ酸飼料を与えると、温室効果ガスが半減。
アミノ酸を添加した配合飼料「アミノ酸バランス飼料」を牛に与えると、フンから発生する温室効果ガスの一種である亜酸化窒素を半減できることが判明した。
亜酸化窒素の発生要因は、飼料に含まれるタンパク質。タンパク質含有量の多い大豆かすの一部を、トウモロコシにアミノ酸の一種であるリジン、メチオニンを加えたものに置き換えた「アミノ酸バアランス飼料」を試験的に生産。ホルスタイン種の去勢牛に与えたところ、フンを堆肥化する期間にあたる64日間で排出された温室効果ガスは、二酸化炭素換算で339kg。従来の飼料に比べ半減した。増体や肉質にも差がなく、牛の嗜好性にも変化はなかった。また、アミノ酸飼料と従来の飼料の原料価格はほぼ同じとなった。
亜酸化窒素は糞尿の処理過程で発生し、二酸化炭素の298倍の温室効果があり、ゲップに含まれるメタンに次いで多く排出される。
今後は黒毛和種などでも利用可能か研究をすすめる。
参考リンク:畜産環境シンポジウム(農林水産省)