2020年の生乳需要、業務用の回復や学校向けの増加で逼迫の懸念。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、一時は処理不可能乳(処理しきれない生乳)の発生が懸念された生乳生産。7月以降は、学校の夏季休業短縮や業務用需要の回復がすすむと予想され、生乳需給が逼迫する懸念が出てきた。

小中学校の休校や外出自粛など、新型コロナウイルス感染拡大は、学校給食用牛乳や業務用乳製品の需要低下を受け、4月の需給実績は大幅減となったと、Jミルクは需給短信で公表。一方、乳製品の処理量は大幅に増加。脱脂粉乳・バターの在庫は増加。
牛乳類の販売は、農林水産省の「プラスワンプロジェクト」など消費拡大の取り組みが功を奏し、4月は前年同月比で約2割増。家庭用バターも約3割増と前年を大きく上回った。
7月は学校の夏季休業の短縮により学校給食用の牛乳の供給日数の増加や、経済活動の活発化による業務用需要の回復が見込まれる。また、7〜9月の気温が平年より高くなる見通しとなり、生乳生産へ影響も懸念されるため、生乳の需給は一転して逼迫する度合いが強まると予測。今後、市場の混乱がないよう業界で一致協力した対応が必要になると考えられる。

参考リンク:Jミルク(需給短信)