乳牛の暑熱対策、牛のストレスを数値で「見える化」。
夏場の乳質や乳量を維持するため、鳥取県の全酪農家103戸が加入する大山乳業農業協同組合が、鳥取県とプロジェクトチームを組み牛舎の暑熱対策に取り組んだ。
2019年4月から独自の認証制度を導入し、生乳の生産管理・衛生管理の巡回審査を実施。暑熱対策では、温湿度指数(THI)から牛のストレスの度合いを測る「ヒートストレスメーター」を全組合員に配布。牛の不快感を数値で「見える化」し、対策を進めてきた。
2021年からは、対策マニュアルを制作し、それを基に牛舎の温湿度管理に取り組む。国や県の補助事業を活用して牛舎設備の更新や機械化を進めた酪農家の巡回を行い、モニタリングシートを使って暑熱対策の実施状況を点検する。牛舎内で牛が立つ・座るときの胃の位置にあたる部分の風量を測定し、換気扇の角度を調節。牛の体に当たる風を風速2メートルにし、牛の平熱(38度)になるよう体温調節に使用する。
牛舎内の温度上昇を抑えるため、屋根を二重にして断熱効果を高める、屋根を塗装して放射熱を軽減させる、といった対策をとる酪農家も出てきている。これらの対策で夏でも乳牛が過ごしやすくなる環境を整え、年間の生乳生産量6万t以上の維持を目指す。
参考リンク:大山乳業農業協同組合