下水汚泥肥料の利用拡大に向け、公定規格策定に。
下水汚泥を発酵・堆肥化したものや汚泥の焼却灰を対象に、リンなど有効成分の最低含有率を設定する新たな公定規格の策定を目指す。
新たな公定規格を策定することで、堆肥や下水汚泥資源の使用量を2030年までに倍増させることが目標。
下水汚泥は、カドミウムや水銀など有害な重金属類に関して許容される含有率の上限が定められている。肥料の有効成分リンに関しては、下水汚泥からリンを回収して肥料原料とした場合は公定規格における「リン酸マグネシウムアンモニウム」や「副産肥料」に該当するため、満たすべきリンの最低値が定められている。一方、下水汚泥を焼却した灰や堆肥化したものは「汚泥肥料」に該当し、有害成分の上限は定められているがリンや窒素などの有効成分についての規定はない。
汚泥肥料も有効成分の最低含有率などの規格が設定されれば、化成肥料との混合が肥料法によって認められる。これにより、肥料メーカーにより汚泥肥料に乏しいカリを混ぜ合わせるといった新たな商品開発につなげたいとしている。
下水汚泥は生活排水や工場排水、雨水が混じるため、汚泥中の有効成分の含有量を安定させることが課題となる。年に数回全国の下水処理施設で成分分析を実施し、新規格の策定に生かす。
参考リンク:バイオマス活用の推進(農林水産省)