果樹カメムシが大発生の可能性。
「果樹カメムシ類の発生が近畿、四国及び九州の一部の地域で多くなる」という春の時点での農水省からの予報から、ここにきて関東各地で例年より早く果樹カメムシ類に関する発生注意報が出ている。
2018年の東京のスギ及びヒノキの飛散花粉数の平均は、過去10年間で2番目に多かったが、この花粉数が多いと、翌年4~7月のチャバネアオカメムシの数も多いということがわかっている。実際、東京でのチャバネアオカメムシのフェロモントラップ誘殺数は、5月半ばから急増し始め、下旬には平年の9.7倍になり、過去10年間で最多となった。5月の予察灯誘殺数は平年の5.2倍。サクラ果実における寄生数もチャバネアオカメムシについては過去10年間で最多となった。今後はこの果樹カメムシ類が果樹園に飛来する危険性が高まる。
果樹カメムシ類の発生注意報がすでに東京、埼玉、神奈川では発令されているが、そのほかの県でも十分な警戒が必要。防除としては、園内を注意深く観察し、「早期に袋がけを行う」「 多目的防災網(目合9mm、クロス入り)を展張できる園は早く設置する」「薬剤散布」など適期に防除を行うことが重要。