気候変動で白未熟粒率が20年後4倍に。

気候変動による高温化とCO2濃度の上昇が続けば、21世紀半ばには白未熟粒率はこれまでの4倍にあたる20%、21世紀末には40%に達すると予測。

これまでの気候予測シナリオでは、温室効果ガスの排出によってCO2濃度が上昇し続け、日本の気温上昇が大きくなると、21世紀中頃までは収量が増加し、以後減収に転じ、また水稲の白未熟粒率は21世紀半ばで約15%、世紀末で約30%と予測されていた。
新たに行われた、CO2濃度を現在より高い環境にした栽培実験の結果、CO2濃度の上昇による増収効果は、栽培地の気温が高くなるほど小さくなり、白未熟粒など外観品質が低下することが判明。これらの知見から最新の水稲育成収量予測モデルを構築し、改めて予測を行ったところ、収量は従来モデルの算定値を下回り、21世紀末には約80%にまで低下。白未熟粒率も21世紀半ばで約20%、21世紀末で約40%と予測。収量減と品質低下がより早くに深刻化する結果になった。
今後、予測結果は自治体などの気候変動適応計画の策定や更新の際に重要な基礎情報として用いられる。また、暑さに強い高温耐性品種の開発や、被害軽減のための栽培技術や適応策に役立てられる。

参考リンク:農研機構