地球温暖化で2050年の穀物価格は23%高騰の可能性。飢餓、水不足も。
温室効果ガス排出削減が十分に進まなければ気温上昇、干ばつなどによる農業生産物への被害が甚大になり、供給が追い付かず、2050年までに穀物価格は最大23%上昇する可能性があるとの特別報告書を、国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が公表。一方で農業などは温室効果ガスの主要排出源にもなっているので、食料の安定供給を目指しながら農地や森林の適切な管理による温室効果ガスの排出削減が急務であるとし、来年に本格始動するパリ協定の下で対策を強化するよう訴えている。さらに地球温暖化に加え、歯止めのかからない地球の人口増加もあって、世界規模の水不足と食料不足の可能性が高まっていると警告した。
報告書によると、地球の平均気温の上昇ペースは、これまでの2倍近いスピードで上がっており、将来は熱波や干ばつに襲われる頻度も増えると予測。これに伴い、大地の砂漠化、山火事、害虫の異常発生、土壌の浸食なども引き起こされるとした。
2050年には穀物価格が最大23%上昇し、末端の食料価格も高騰し、貧しい人々が飢餓状態になる可能性が高くなると予測。一方で、水不足の進行も深刻になると予測。
農業や林業で排出される温室効果ガス、二酸化炭素は、人間の生活に伴って出る量の23%に相当するという分析も。温暖化対策は森林保全や食料生産と大きくかかわってくる。