麦の収穫後、すぐに水稲直播栽培が可能に。

麦を収穫した翌日に水稲の直播栽培が可能な「振動ローラー式乾田直播」で移植栽培より労働時間6割減、生産費4割減が可能。

これまで麦の後作の乾田直播は、麦の収穫から水稲播種までの適期が1〜2週間と短く、水田の漏水防止に必要な代掻きや鎮圧の作業が間に合わないため、不可能とされてきた。
農研機構の九州沖縄農業研究センターが開発した振動ローラー式乾田直播は、土を叩きながら回る振動鎮圧ローラーを利用することで、短い時間での鎮圧を可能にした。鎮圧にかかる作業時間は10aあたり20〜40分。代掻きも省略できる。2016年に開発されて以来、九州では2020年には150haで行われていると試算される。また、シーズンを通しての労働時間は10aあたり12.4時間で、移植栽培と比べて58%減、生産費は同7万7,000円で39%減になるとしている。
乾田直播は、省力化や低コスト化だけでなく、移植栽培と作期の分散ができ、また入水を遅らすことでスクミリンゴガイ被害を予防することもできるなどの利点がある。

参考リンク:農研機構