ゲノム編集小麦の栽培実験開始。
穂発芽しにくいコムギの品種を開発するため、ゲノム編集を施した「穂発芽耐性コムギ」の野外栽培実験が、11月から翌年6月にかけ、農研機構と岡山大学の実験圃場でそれぞれ開始される。
収穫期に雨にあたったコムギは、穂についたままの状態で発芽(穂発芽)する。穂発芽したコムギは品質が低くなり、商品価値が下がってしまうため、経済的な損失が大きい。特に日本ではコムギの収穫期と梅雨が重なるため、穂発芽しにくいコムギ品種の開発が求められている。
「穂発芽耐性コムギ」は、ゲノム編集技術を使って種子休眠性遺伝子のアラニンアミノ酸転移酵素を改変したもの。種子休眠が長くなり、水に濡れても発芽しにくい。実験では、ゲノム編集を施したコムギを栽培し、品種育成時に行う検定手法で種子休眠性の特性を調査する。
穂発芽耐性コムギは、カルタヘナ法(遺伝子組換え生物を規制する法律)には該当していないが、予め届けられた実験圃場で実施し、外部に花粉が漏れ出ることのないよう管理した状態で行われる。
参考リンク:研究活動報告(農研機構)