画像で病害虫診断の根拠を示すAI(人工知能)を開発。
農研機構は、農業情報研究センターを開設し、AI(人工知能)とビッグデータを活用した農業研究を本格化させており、研究成果として、画像の特徴を可視化できる新しいAIを開発、農作物の病害虫診断などでの活用ができる。
現在のAI開発で使われる”深層学習(ディープラーニング)”のほとんどは、AIが学習した特徴や、学習に基づく判断の根拠を説明できないブラックモデルとなっている。AIの利用場面が拡がる中で、人間の意思決定の参考にする場合などでは判断の根拠が必要となるケースが多くあり、判断の根拠を説明できるAIを求める声が強まっている。
開発したAIは、判断根拠となる画像の特徴を可視化する。例えば、ジャガイモの葉の画像の病気診断では、元画像から「病気」の葉の画像と、「健全」な葉の画像を生成することができ、生成した「健全」な葉の画像からは”病徴”が消えていることで、AIが病気の特徴を正しく学習できていることが確認された。
このAIをプログラム化し、病気株の検出が特に重要となるジャガイモの原種(元だね)圃場などへの導入を検討。また、イネの重要害虫であるウンカ類の種類別計測への適用を試みている。