農薬のミツバチへの影響評価、見直しへ。

ミツバチ減少の要因のひとつに「農薬」の影響が疑われているが、因果関係を裏付けるに十分なデータはない。農薬とミツバチの被害との関連性を把握し、被害軽減対策をつくるため被害事例の全国調査を実施、実態を把握。農薬登録時の審査において、ミツバチの暴露実態を反映した評価方法への改善と、評価結果に応じた使用方法の見直しを行う。

評価の対象となるのは養蜂に用いられるセイヨウミツバチ。これまでは成虫が直接農薬を浴びる、農薬を含む花粉・花蜜の摂取を想定し、毒性の強さによる評価(ハザード評価)を実施してきた。これに加え、環境中で農薬を浴びる、または摂取する暴露量を考慮したリスクベース評価を導入する。また、蜂個体の影響評価で、影響が懸念される水準を超えた場合に蜂群単位での影響評価も行う。
使用方法からみてミツバチに影響を与えないと考えられる場合や、ミツバチが訪花しないことが分かっている麦類、松、イチョウなどへの農薬に関しては、試験の除外も可能。また、これまでの生産実態から、ミツバチが暴露しないと想定される作物の追加案も発表。畑ワサビ、ゴボウ、食用ユリ、ニンジン(葉)、カエンサイ(レッドビート)、ヤナギタデ(ホンタデ)、ピタヤ(ドラゴンフルーツ)、サトウキビの8種。

参考リンク:農林水産省