サバクトビバッタの行動を予測するモデルを構築。

これまで知られていなかった「サバクトビバッタ」が砂漠で生き延びるためにとる行動を、国際農研などによる国際研究チームが解明。成果を利用して専用のモデルを構築し、行動の予測を可能にした。

サハラ砂漠で活発に集団移動する幼虫の群れに対し、様々な時間帯にバッタの体温と周辺の表面温度をサーモグラフィカメラで測定。行動と温度の関係を調査。その結果、バッタは比較的高い温度(約40度)に体温を維持することで消化を促進、早い速度で餌を消化して次の餌をとることを繰り返し、発育速度を速めるため、
・早朝の低温時には地面で密集し、太陽光に当たる面積が大きくなるよう太陽に垂直に体の向きをとる「集団日なたぼっこ行動」をとって体温を高める。
・日中の温度が高い時は、日なたでは太陽に顔を向け体表面積を最小にし、背伸びをして体を暑い地表からはなしたり、日陰に隠れたり、植物の上に移動して体温調節をする。
という行動をとることが判明した。
調査で得られたデータを変温動物の行動を予測する既存のモデルに組み込み、バッタの体温と行動を予測する専用のモデルを構築した。これを利用することで、バッタが不活発な時間帯を特定し、集中的に農薬を散布することで、農薬の量を抑えた防除に結びつくことが期待される。
今後はほかの地域や季節に加え、成虫についても詳しく調査し、行動を予測するモデルを構築する予定。

参考リンク:国際農研