花粉交配用のミツバチが不足する恐れ。2009年より状況悪化か。
果物や野菜など、施設園芸農業で授粉に用いられるセイヨウミツバチ。今春は全国的に大不足になった2009年以上に不足する恐れが出てきた。昨年相次いで上陸した台風による巣箱流出に、暖冬の影響で繁殖が活発になった寄生ダニなどの影響もあり、全国で巣箱1万箱の不足がでると予測。
花粉交配用のミツバチは、秋から春にかけて養蜂業者から農家に貸し出される。イチゴの花粉交配には年間推定10万群のミツバチを使用。養蜂業者は夏の間に群を割り出して蜂を増やすが、自然災害の影響を受け出荷数の確保が困難。ミツバチ不足を受け、巣箱の盗難も相次いでいる。
ミツバチの不足は産地にも影響を与える。4月からスイカの授粉が始まる鳥取県では、例年栽培農家の9割近くがミツバチを利用。今年は早めの発注で必要数を確保するが、不足の場合には手作業での授粉も視野に。1箱の匹数を8,000匹から6,000匹に減らすなどの対応をとる養蜂業者もあるが、それでも不足した場合には採蜜用を交配用に利用する事態に。採蜜用ミツバチで対応している産地も出てきている。
農水省はミツバチの園芸生産者に管理徹底を指導するマニュアル配布や代替手段としてハエやマルハナバチなどの利用も促進するとしている。