国内未発生のスモモミハバチ被害、山口県で確認。
スモモにのみ寄生し、果実内部を食害するハバチが山口県で見つかった。山口県病害虫防除所が被害果実から捕獲した幼虫及び越冬中の蛹を室内飼育して得た成虫を神戸植物防疫所に送付、同定を依頼したところ、国内で発生報告のないスモモミハバチ(仮称)であると判明。
スモモミハバチはスモモの幼果に侵入し、内部を食害する。被害を受ける果実は1cm程度と小さく、5月上中旬には正常果との生育に差が出ることで発覚。被害は防除対策をしていない場合に多く見られ、被害化率が100%に至る場合もある。幼虫は体長10mm程度で全体的に白色、成虫は体長6mm程度と小型で体色は黒、羽も暗色。中国および韓国に分布し、寄主はスモモのみ。中国では開花初期に一斉に羽化し、未成熟な果実の表皮などに産卵、幼虫は孵化後に果実内部に侵入。約30日で果実に穴を開けて脱出、土の中で土繭をつくり越冬、翌春に蛹化する。
2020年3月現在、スモモハバチに対応する農薬の登録はないが、慣行防除を実施している園地での被害は無発生もしくは非常に少ないことが確認されている。
参考リンク:山口県