バッタ⼤量発⽣、アフリカ、南⻄アジアで⾷糧危機の恐れ

アフリカと中東の乾燥した地域に生息するサバクトビバッタ。大雨による植物の繁茂があると大発生し、農地や牧草地を食い尽くす。「蝗害(こうがい)」と呼ばれるバッタによる被害が今、東アフリカで発生。数万人の初級量供給が脅かされている。
東アフリカとアラビア半島では、過去2年間に複数回、サイクロンが襲来。これによってもたらされた大雨が蝗害の主因と考えられる。2018年は9カ月間でバッタの大発生が3度起き、アラビア半島だけで生息数が8,000倍まで増加。2019年には紅海とアデン湾を飛び越えアフリカへと移動し、更に繁殖。2020年にはケニア、ジブチ、エリトリア、ウガンダ、タンザニアで蝗害が発生。ケニアでは過去70年で最悪の蝗害、ソマリアでも25年に1度の危機となり、国連食糧農業機関(FAO)は緊急事態宣言を出すとともに、バッタの駆除と農民・牧畜民の援助のための緊急支援を呼びかけている。また、サバクトビバッタは東にも移動し、アフガニスタン、パキスタンで新たな群が確認。パキスタンでは綿の壊滅的被害が懸念されている。さらにバッタは中国へと来襲する気配をみせており、今後の動向が懸念される。