みどりの食料システム戦略、総合的防除で化学農薬使用量を削減。

食料・農林水産業の生産性向上と持続性の両立を目指す「みどりの食料システム戦略」は、2050年までに化学農薬使用量をリスク換算で50%低減を目標に掲げている。

みどりの食料システム戦略では「化学農薬使用量(リスク換算)の50%低減を目指す」とある。この(リスク換算)の50%削減とは、これまでの減農薬のような散布回数を半分に減らすのではなく、環境への影響を検証可能な形(リスク換算)で算出し、その総量を低減させる、としている。リスク換算は「有効成分ベースの農薬出荷量」に、ADI(許容一日摂取量)を基にした「リスク係数」をかけ合わせて求めるとしている。ADIは農薬の有効成分ごとに決められており、その数値レベルによってリスクの高いものには指数10、中間のものには指数1、小さいものには指数0.1の3段階の指数が与えられている。
化学農薬の使用量低減のためには、ドローンなどのスマート農機を開発し農薬散布をピンポイントにすることで散布量を減らす/土着天敵や光を活用した害虫防除、総合的病害虫・雑草管理の普及、AIを活用した病害虫の早期検出や土壌病害診断などの技術を組み合わせた総合的防除技術の開発が重要になる。
2021年度補正予算では、これら総合的防除に取り組む地域の支援を行う「緊急対策交付金」を盛り込むとしている。

参考リンク:みどりの食料システム戦略(農林水産省)