国内資源を活用した肥料。
化学肥料の高騰が続く中、堆肥や下水汚泥、食品残渣など国内の未利用資源を肥料原料に活用する動きが起こっている。
2022年度第2次補正予算では「国内肥料資源利用拡大対策」を計上。国内資源利用に向けた施設整備や実証を支援。堆肥のペレット化や下水汚泥を原料としたコンポスト肥料などの活用を促進する実証を実施。
この事業を活用し、堆肥と化学肥料を混ぜた混合堆肥複合肥料や堆肥のペレット化などの取組が進む。
京都府では、鶏ふんに尿素などを加えることで栽培に適した窒素量にした肥料をペレット状に加工する試みが始まった。埼玉県でも大規模養鶏業者と肥料メーカーの連携により、鶏ふんを使った混合複合肥料を試している。原料の45%を鶏ふん堆肥が占め、肥料成分として窒素12%、リン酸5%、カリ5%を保証。秋に始まる実証では、40haの圃場で来年産小麦に使用する予定。
下水汚泥からのリン回収は、神戸市や福岡市などがすでに取り組んでいるが、横浜市とJA横浜、JA全農かながわが協定を締結。市が新設する施設でリンを回収し供給。全農かながわが肥料の製品開発を行い、JAが肥料の試験や流通、普及を担う。
参考リンク:肥料関係情報(農林水産省)