トマトの難防除害虫「シストセンチュウ」に対して、抵抗性と密度低減効果を持つトマトの開発に成功。
「ジャガイモシストセンチュウ」は、1972 年に国内で初めて、北海道で確認された外来の害虫で、ジャガイモやトマトなどナス科植物の根に寄生し、生育を阻害する。寄生により、「ジャガイモシストセンチュウ」は爆発的に増殖するため、一度発生した畑でのナス科植物の栽培は、まん延を助長する。現在、北海道を中心として1道4県 11,000ha以上の農地で「ジャガイモシストセンチュウ」の発生が確認されている。シストセンチュウのまん延防止および根絶は、北海道における農業生産上の重要な課題となっている。
カゴメ株式会社は、北海道の農業で深刻な問題となっている外来の害虫「ジャガイモシストセンチュウ」と「ジャガイモシロシストセンチュウ」に対して、抵抗性と密度低減効果を持つ加工用トマトを開発した。この品種は、2020 年より北海道を中心に本格的に栽培を開始する。
開発した品種は、「シストセンチュウ」に対して寄生されないだけでなく、土壌中のシストセンチュウ密度を低減させる効果も保有することを、農研機構北海道農業研究センターと共同で確認。この品種を活用することで、社会課題である「シストセンチュウ」のまん延を防止するとともに、加工用トマト原料を持続的に調達することが可能となる。