トマト新世代は受粉要らずで、高温でも多収。

筑波大学やかずさDNA研究所などの研究グループは、猛暑に耐えられ、暑い中でも収量を維持できる単為結果性(受粉の要らない)トマトを育成したと発表した。最高気温が30~45度のハウスでの着果率は、一般的な品種の4倍以上。授粉の必要がないので、省力化にもつながる。
この系統で交配を繰り返せば、高温耐性を持つ大玉トマトやミニトマトが育成できる。遺伝子組み換え技術ではなく、突然変異のトマトの中から選び出した新しい系統。
高温に耐えられ、単為結果性を持った品種は少ない中で、夏のハウスで栽培したところ、収量は比較品種を大きく上回った。
新系統の親は、実が小さい実験用品種で、突然変異を促す薬品で処理した株を用いた。特定の遺伝子の機能が変わったのが引き金となり、「単為結果性」や「高温耐性」を持つようになった。また、ミニトマトとの交配で、ミニトマトに近いものに改良した。
地球温暖化で酷暑化が進む世界で、暑さに耐えられる新しいトマトの品種開発の進展に貢献する研究だ。