暑さに強いコシヒカリ新品種、栽培実験で高熱耐性を実証。

暑さに強い新品種「コシヒカリ新潟大学NU1号」を開発した新潟大学が栽培実験の結果を公表。一般的なコシヒカリBLの19%が高温で被害を受けたのに対し、5%と大幅に抑えられたことが分かった。今後、異常高温に耐えられるコシヒカリの実用化を目指す。

近年の温暖化による夏の酷暑はイネを異常高温にさらし、コメの白濁化という品質低下を生じさせる。新潟県でも猛暑による品質低下が課題となっており、新潟大学は約20年にわたり高温環境下でも収量や品質が低下しないイネ新品種の研究を行い、2020年3月に暑さに負けない新品種「コシヒカリ新潟大学NU1号」を開発、品種登録した。今年度は栽培特性評価を目的として栽培実験を行い、その結果が公表された。
実験では、肥料や場所などをほぼ同じ条件にした圃場20aで作付けを実施。収穫したコメ1.4tに対し、高温による白濁粒や未熟粒のほか、整粒の割合を調べた。今年は7月に長雨、9月には40度を超える猛暑に見舞われたが、NU1号は高温障害粒の比率が5%と、従来品種に比べて14%低い結果となった。また、整粒の割合も従来品種が60%に対し70%となった。長雨のためいもち病の被害も懸念されたが被害はほぼなく、収量も従来品種と同等だった。
来年度は実験場所を増やし、異なる条件下での高温耐性などを確認する。一般生産者に提供できるようになるのは1、2年後になる見通し。

参考リンク:新潟大学