ツマジロクサヨトウ九州以外でも拡散中。11月まで厳重な警戒必要。

トウモロコシなどを食害する外来害虫「ツマジロクサヨトウ」が7月初旬に鹿児島県で初めて確認されて以来、そのまん延が危惧されていたが、九州以外でも沖縄、茨城、高知、岡山などで次々と発生が確認され、歯止めがかかっていない。台風の風に乗ってさらに拡散するおそれもあり、しばらくは厳重な警戒が必要だ。
被害の9割が飼料用トウモロコシ。飼料用トウモロコシの場合の防除は、アブラムシ類に効果のある「アセタミプリド水溶剤」など5種が使えるが、草丈が高く薬剤散布が困難な場合には、自治体は早期の刈り取りによるサイレージ化をするよう呼びかけている。農家には発生拡大を防ぐために、見回りで幼虫の早期発見を行うよう求められている。トウモロコシの場合、虫がつきやすいのは先端部。草丈が1.5m以上になると薬剤が行き届かないため、早期刈り取り後の迅速な耕うん、すき込みが必要。
「ツマジロクサヨトウ」は寒さに弱く、気温10.9°以下で成長が止まり、気温10度以下の日が数日続く地域なら、越冬の可能性は低いが、冬も温暖な地域だと越冬し、翌年再発生する可能性があるので厳重な注意が必要。