羽音センシングで巣を特定。ツマアカスズメバチ駆除に役立つシステムを開発。

羽音の周波数に着目し、特定外来生物のツマアカスズメバチを特定・追跡し、巣を見つけるシステムの開発を、長崎県の佐世保工業高等専門学校が進めている。2022年3月までに、システムで得られた情報をもとに地図上で巣の場所を表示するアプリ開発を目指す。

ツマアカスズメバチは中央アジア〜東南アジア、中国などが原産で、日本では長崎県対馬市で定着が確認されているほか、福岡県、宮崎県、大分県で確認されている特定外来生物。ミツバチを捕食するため、生態系や農業に影響を及ぼす。
蜂の羽音は種類によって異なる。この点に着目しツマアカスズメバチの羽音の周波数を調べると、在来のニホンミツバチとは大きく異なることが判明。ツマアカスズメバチが確認された地域に複数のセンサーを設置。羽音から飛んでいく方向を調べ、巣の位置を特定するシステムの開発につながった。
センサーで集められた羽音データの送信には、LPWA(Low Power Wide Area:消費電力を抑えて遠距離通信できる通信方式)を使用。実験では2.5kmの距離での通信を検証した。
今後は、2022年3月までに蜂の駆除業者や養蜂家などの利用を想定したアプリ開発を目指す。