ジャガイモシロシストセンチュウ抵抗性品種「フリア」、2021年本格導入へ。
難防除害虫「ジャガイモシロシストセンチュウ」「ジャガイモシストセンチュウ」に抵抗性をもつデンプン原料用ジャガイモ品種「フリア」が、ジャガイモシロシストセンチュウの土中密度を大幅に減らすことが確認され、産地では2021年産から本格的に作付けを行う。
ジャガイモシロシストセンチュウは2015年に網走市内の圃場で、日本で初めて発生が確認され、2018年末には163圃場682ha、2021年2月時点でも468haで発生している。卵を内包した包嚢(シスト)の状態なら乾燥や低温に強く、土中で10年以上生き、農機などに付着した土を介して広がるため、防除が困難。再発防止のためには抵抗性を有した品種の作付けが望ましいが、これまで作付けされていた品種には抵抗性がなかった。
フランスの種苗会社が育成した品種「フリア」には抵抗性があり、試験ではセンチュウの密度を3〜4割減らすことができた。ただし、フリアは8回の連作で効果がないセンチュウが多く残ることも判明している他、小玉でデンプン価が低いため他品種よりデンプン加工時の加工・輸送コストが高くなる。今後は、マイナス面を改善した新品種の開発を進める。
参考リンク:農研機構