いもち病菌の感染を阻害する抗生物質が見つかった。

人や動物に広く使用される一方で副作用のある「クロラムフェニコール」という抗生物質が、イネに被害を引き起こす病原菌「イネいもち病菌」の感染を阻害することを、東京理科大学の研究グループが発見した。これまで機能が未知であった「イネいもち病菌」のタンパク質“MoDullard”を、「クロラムフェニコール」の新たな標的因子として同定することに成功したことが、イネいもち病の対策となることの発見につながった。
さらに人間にも“MoDullard”によく似たタンパク質“CTDSP1”が存在するのだが、その機能もまた「クロラムフェニコール」によって同様に阻害されることを発見した。この発見は「イネいもち病菌」の新たな病害防除法の提案につながるだけでなく、これまで未知であった「クロラムフェニコール」の人間に対する副作用の解明と解決に繋がる可能性を持っている。